パチ パワフルの出来事14
学生寮についた。
『あ~疲れた。今日も講義を受けずに無駄な時間を過ごしたなぁ~。
寮の晩飯の時間まで、まだ長いな~』
そんなことを考えながら、本日の3万円負けについていろいろと考えた。
やはり思い返せば思い返すほどムカツク。
『実は昨日もパワフルで2万円、その前は麻雀物語で4万円、さらにその前は大明神GPで1万円・・・ここ最近でもう合計10万円*1も負けているんやなぁ~。」
そんなことを考えながら、ついつい学生寮3畳部屋*2に置いていた貯金箱に手が伸びた。
昭和の代表 ブタの貯金箱
『う~ん? コツコツ貯めてきたのに… 爪に火を点す思いで貯めてきたのに…
これを使ってしまったら俺は人間としておしまいだ…』
そうなんだ。いつもこうなんだ。
頭では分かっている。パチンコをそろそろ辞めないといけないことは分かっている。
周囲の友人にも「お前、パチンコだけはやめとけよ。」と忠告されている。
その言葉は痛いほど理解していて、気持ちはサッサとやめて大学の講義に集中しなければならないこと、アルバイトでもして真面目に働き貯金をして、この就職氷河期*3に備えて今のうちから勉強したり資格を取得したりしなければいけない!と、常に考えていたのだが…
考えていたのだが…
・・・
・・・
・・・
!!!
ハッと私は我に返った。
なぜだ…
不思議だ…
なんで私はここにいる? 思い出せない。
周囲はガヤガヤとうるさい音が鳴り響いている。
そうなのか!?
そうなんだ…頭では分かっていたのだ。
でも本能が勝ってしまうんだ。自分自身がしたいこと、居心地のいい場所へと。
だから自然と脳の命令に従わない、自分の体がここにある。
これがこの前テレビで見たギャンブル依存症というやつなのか?
そして、私自身がギャンブル依存症なのか!?
気が付いたら私は学生寮の近くのパチンコ屋に入店していた。
『なぜここなんだ? なぜここが好きなんだ?
こんなに負けまくっているのに…
もうパチンコ人生でトータル200万円くらい負けているのに…
なんで、この場所が1番落ち着くのだ?
知らない人ばかりなのに…
怖そうなおっちゃん、じぃさん、イカツイ兄ちゃんとか苦手な人種が
いっぱいいるのに…。』
そんなことを思いながら、騒音がうるさくタバコ臭い店内の奥へと進むのであった。