パチ たぬ吉くんの出来事1

私はSの大当たりを横目に、エキサイトコーナーを離れた。財布の中身が残金1000円の私にとって、Sの7揃いは、胃が痛い思いであった。羽根モノへ移動する際にはSは2連チャン目に突入していた。ひょっとしたら天国モードに移行したのかも知れない。

エキサイトへ一緒に移動する際に私がSの台に座っていれば今頃…

そんな後悔の念を募らせながら、私は羽根モノの【たぬ吉くん】へ台移動した。

まだポケットの中には数百円入っていたので、残金1000円と合わせて、なんとか勝負ができる金額ではあったと思う。

早速、両替機で千円札を100円玉に両替して、たぬ吉くんに座った。

さぁ〜午前中負けをたぬ吉で取り戻すぞ！

私は、取り戻し計画を立て勝負に挑んだ。

300円投入したところで、たぬきのポケットに玉が入った！ そのまま役物の床を滑りVゾーンに入ってくれた。

このたぬ吉くんという機種はVゾーンに入賞と当時にアルファベットが表示される。

そこがこの機種の面白さの1つでもあった。 たぬ吉くんは割と当たりを引きやすい。 よし！当たったぞ。 しかしながら1ラウンドで終了のアルファベットだ。 当然ながらあっという間に出玉はなくなり、100円玉の追加投資を続ける。 その後も何度かのVゾーン入賞はあったが、ハート♥️やクローバー♣️しか出なかった。もう残金も残り少ない。そんな時に再び玉がたぬきのポケットに入った。 『今度こそいい出目がきてくれ！』 そう願いながら床を滑り落ちる玉の行方を見守った。 だが… 玉はなぜが思わぬ方向へ流れて、結局Vゾーンに入賞しなかった。 たぬきのポケットに入ったにも関わらず… 筆者以外にもこの体験をしたパチンカーは多いはずだ。 残金はあと400円しかない。 ええい！ここまで負けたら、なんぼ負けても一緒や！ 残り400円もいてもたれ！！ そう…これなんだ。パチンコする人種の1番悪い思考回路。冷静になれない。いつもなんだ、、、 外ではちょっとした買い物やスーパーで10円や20円でも安い食品を…と些細な金額を価格比較して買うのをためらったり、ケチったりしているのに、パチンコ屋の中に入ると金銭感覚が一気に狂ってしまう。 聖徳太子が伊藤博文に見えてしまう。もっと噛み砕いて表現すると1万円札が1千円札に見えてしまう。 そんな感覚に陥ってしまう人は筆者以外にもたくさん存在するのではなかろうか？ 筆者も脳内では分かっていながら、このパチンコ屋無いでのいわゆる金銭的な脳内詐欺に引っかかったような感覚に陥り、残金の400円を投入してしまうのであった。