パチ エキサイトの出来事6
もうこうなるともっと意固地になってしまう。
Sだけではなくパチンカーは皆そんな経験がお有りだろう。
私はSを探していた。
『おそらくエキサイトコーナーにいるのではないか?負けが続いて苦しんでいるのではないか?もう手持ちの金がないんではないか?』
いろいろと悪い風に考えながら、屈強な肉体の強者達が積み上げたドル箱タワーに辿り着いた。
ドル箱は屈強な強者の玉だ。 じゃあ、Sはいったい何処に??
と、思っていたところドル箱タワーの隙間からSが顔を出した。
ひょっこりと…
やはり、Sは悔しそうだ。
自分も大当たりして連チャンしたい。。。そうだ。
そんなの誰でもだ。
小生「もうヤメとき。この前に勝った金以上に負けてるんやろ?このまま続けてても今日みたいな負けが増えてもっとお金なくなるで。」
S「うん…分かってる。」
小生「じゃあ、もう今日は帰り。」
S「君は、これからどないするん?」
小生「いあ、俺は今から羽根物でも軽く打つ。」
S「ふ~ん。なぁ~相談があるんやけど。」*1
小生「なに?店内はうるさいし、カップコーヒーくらいやったらご馳走するから店の外で聞くわ。」
多分お金の話しだと私は感じた。だから店内ではなく、敢えて店外に出ることで瞬間的に熱くなったSの感情を冷却させる目的があって店外を選択した。
そのような流れで2人店外へ出た。
予想通りSからは唐突なお金の無心の相談だった。
S「なぁ~。すぐ返すからちょっとだけお金貸してくれへん?」*2
小生「え!?なんぼくらい?」*3
S「いあ、別に…少しでええねん。」
小生「少しやったらええけど、飯食う金もないんけ?近くの吉野家で大盛りくらいやったら奢ったるで。」
S「いや、飯はええわ。飯代じゃないねん。明日返すからちょっとだけ貸して。」
やはり、彼はまだパチンコがしたいようだった。
小生「うーん?金の貸し借りはな~。」
S「頼む。頼みます。ポケベル番号教えるから。」*4
小生「わかった。でもホンマに明日、返してよ。」
私はSを信用して1万円貸した。
S「おおきに!明日絶対返すからな!」
彼は喜んでそのまま店内へ消えて行った。
『なんか今日はもうSに会いたくないな~。』
直感的に私はそう感じて今日はその店には入らないことにした。
羽根物かフィーバー打ちたいし違う店へ行こう。
私は中古自転車の鍵を開錠し、他店へ向かった。
しかし、他店に行っても私には不幸が付きまとうのであった。。。