パチ ニューヨーカーの出来事2
私はニューヨーカーを打っていた。
現在のゴミ羽根物は打っても打ってもチャッカーが玉を拾ってくれず、全然羽根が開かないが、当時はよく開いた。当たる当たらないは別として…
100円で2回くらいは開いたかな? 500円で『2』に2~3回入ってくれてたかな?
払い戻し玉が多く割とお金の減りが少なかった記憶がある。
現在の羽根物が開かんし、払い戻し玉少ないし、当たっても玉少ないし本当にゴミだ。
昔の台は楽しく遊べて打ち続けていたら恩恵があった。
少し褒めすぎな気もするが、この感触がたまらなかった!
「おお~。そうだ!そのまま強引にVへ入れ━━!!」
この無理矢理Vを目指す感触はいつも最高だった。
そんな感じで上機嫌で大当たりを消化していたが
『ポンポン』と後ろから肩を叩かれた。
ん?なんだ?と思って振り返ると彼がいた。
そうだ。Sだ。
このタイミングで、この絶妙に貸した金がなくなる時間帯で、しかも他店まで私を探してやってきたSに対して私がいい印象を持てなかったのは必然的である。
小生「よう。こんな店まで来て、どうしたん?」
S「・・・」
何も言わないが、ジッと私を見ている。
何か言いたそうな目で…助けを欲しそうな目で…
だが先に言っておかないとお金のことはキリがないし、私のため、そしてSのためでもあるしハッキリ言った。
小生「あ~お金?お金ならさっきの1万円返してくれんと貸せんで。」
S「うん。分かってる。」
でもジッと私のそばから動こうとしない。
『はぁ~分かっていないな。情に訴えようとしてるな。コレは。』そう感じた。
ニューヨーカーの大当たりも消化し終わり、予定終了まで頑張ろうと打ち続けていたがSは隣の台に座ったり、少離籍してまた戻ってきたりを繰り返す。
『ちょっとうっとおしいなぁ~。』そう思いながら打ち続けていたらまたVに入って大当たり。でも隣にSがいるし嬉しさ半減。とか感じながら玉はドンドン増え4000発超えで店員に終了を告げられた。*1
ドル箱交換~換金所へもSは付いてくる。
そして換金後に予想通り
S「頼む。その1万円、明日絶対に返すから貸して下さい!!」
と私に懇願してくる。
小生「えーーー。」「さっき1万円貸したやん。これ貸したら2万やで?ホンマに明日に2万返せるん?」
S「うん。親に借りるし、もうじきバイトの給料でるから間違いなく返す。」
小生「うん…でも…」
S「でも…」
小生「貸すんヤメとく。」
S『プチン!』 ・・・Sがキレた。
パチンコ依存症の人間がパチンコしたくなる脳に切り替わると理性がなくなる。
S「1万貸せや!このチンカス野郎!」
小生「ハッ!!」
私が驚いたと同時に私が軽く握っていた1万円を強奪された。
Sはそのままダッシュで逃げて行くのであった。