パチ エキサイトの出来事7
Sは猛ダッシュで逃げる。
「は、は、早いアイツ。」
こうゆう時の人間の足はマジで速い。
人間は普段、己の実力の10~20%しか使用していないそうだ。
いざ窮地に追い込まれると発揮する力・・・
俗に言う『火事場のクソ力』??
それがコレだ。
私も経験がある。
上の人や自分が苦手とする人に命令され時間もない、自分の実力も能力もない状況は己自身が1番分かってるのだが、とことん窮地に追い込まれると、その場だけなぜか思いもよらない力が出る。普段は考え付きもしないことを思い付く。そんな経験を覚えている。しかしこれは常時はできない。非常事態のみの能力である。
仮に人間が常に100%の力を発揮し続けると自身の身体がそれに耐えきれずボロボロになり、その後は回復することもなくその生命は途絶えるというらしい。
そんなことを冷静に考えながらSを少し追いかけてみたが、「どうせあのGODSPEEDは長持ちしないだろう。。」と計算して、私は中古自転車置き場へ行き、チャリで追いかけることにした。
案の定だ。
チャリで追いかけグングン距離を縮めて、すぐにSの背中が見えた。
もう疲れたのだろうか?彼は歩いて移動している。
もうすぐだ。時間の問題だ。
小生「お~い。」
Sが驚いた様子で振り返る。
小生「おまw 1万円パクるなや!」
まただ!
Sが猛ダッシュで再び逃げ出した。
しかし、こっちは中古自転車とはいえ機械。余裕で追いついたる! と思ったが、やはり窮地に追い込まれると人間は異常な力を発揮するものだ。私の体感では時速40~50kmでグングン距離を離された。
ま~いい。とことん追跡してやる。
そんな気持ちで追いかけていた。が、まさかSはまた元のパチンコ屋へ走って入店してしまった。
なんて短絡的な奴なんだ!?そう思いながら店内でSを探す。
私は迷わずエキサイトコーナーへ行ってみたが、Sはいない。
打っているのは筋肉がやたら目立つ猛者ばかりだ。
フィーバーパワフルも探したがいなかった。
一体どこにいるのだ? とりあえず合計2万円もSに渡しているのだから探さないわけにはいかない。私は引き続き必死で探した。
しばらく店内捜索の時間が経過後…
小生「・・・」
S「・・・」
小生「おった!!」
S「ひぃ!!!」
彼はぬけぬけとパチンコを打っていた。
私はSの隣に座り、即座に彼の腰ベルトを握って逃げれない状況をつくった。
小生「S君。おま。分かってるよな?」
Sは、少し驚いていたがなぜか冷静になって私に対してこう言った。
S「まて。話せば分かる。」
小生「どうやって分かるねん!」
S「花百景についてええ情報やる。それでお前は必ず納得する。」
小生「なんやええ情報って!?」
そうやって私は、一生懸命に話そうとするSに対して耳を傾けてしまった…
その結果、多くの時間を浪費することとも知らずに…